「成墾紀念碑」。

(あしあと その702)

北26条東3丁目の住宅地の中に鉄柵で囲われた一角があり、そこに札幌軟石が積まれた台座の上に自然石でできた碑が建てられています。

この碑は「成墾紀念碑」です。碑面には、「榮業所基 成墾紀念碑 農學博士南鷹次郎」と刻まれています。「榮業所基」とは、「繁栄している仕事は、基本がしっかりしている」ということを意味するそうです。「榮業所基」の左側にも数文字が刻まれていますが、これは読み取れませんでした。南鷹次郎は、北海道大学の前身である北海道帝国大学の初代農学部長であり、その後第2代総長を勤めた人物です。

碑の背面には、一部が平らに削られた箇所に数文字が刻まれています。これも詳しく読み取れませんでしたが、一部に「明治四十二年六月 建之」と刻まれているのが判読できます。

台座に置かれた上台には、正面に「紀念碑寄附人名」と刻まれており、その周囲に当時の小作者であった計53人の氏名が刻まれています。

また、中台の背面には、


「昭和二十三年農地法に拠り農場は自作者に解放 従来の記念碑敷地は道路西に該当したので昭和三十五年現在地に移築」


と刻まれています。

この碑は、北海道大学第3農場の管理事務所が置かれていた一角に建てられていましたが、昭和35年に15メートルほど東側の現在地に移されました。

現在の北海道大学の前身となる札幌農学校は、アメリカを範とした農場経営を重視し、北海道の開拓に当って各地に直轄の農場を開きました。札幌市内には第1から第4農場までが置かれましたが、第1及び第2農場は直営、第3及び第4農場は小作によるものでした。この石碑が置かれているかつての第3農場は、現在の北20条から北49条、東1丁目から東8丁目までの敷地に広がっており、この碑が建てられた明治42年は、第3農場を開設してから20年目に当たります。

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ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑、記念碑が気になり始めてから、沢山の人にその存在を紹介してこうと思い、はじめはブログから始めました。札幌の歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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