「円山 奥の院」。

(あしあと その529)

円山の登山道の入り口に当たる太子堂側から山頂に向かって登っていくと、突き当りの丁字路で分かれ道になります。その突き当りの位置に「天然記念物 円山原始林」の標柱があり、左側に進むと「山神」碑がある円山山頂で、右側に進んでいくと動物園側の登山口に向かいます。

この丁字路から右に視線を移すと、登坂になったすぐのところに、軟石で造られた「奥の院」の小祠があります。これは、ふもとにある太子堂から登山道に沿って安置された八十八観音の奥の院として造られたものと言われています。建物の大きさはこじんまりとしていますが、正面の緑色の鉄製扉には頑丈な閂(かんぬき)が取り付けられていて、とても重厚な印象を与えます。

奥の院の台座には、氏名が刻まれているのが分かりますが、そのほとんどがいたずらされて削られており、判読が困難になっています。文頭に、「大正四年五月髙野山開闢千百年紀念造営(成)田山新栄寺住職」の文字がかろうじて読み取れますが、札幌の歴史を伝える貴重な財産が、このような形で風化していくのは慙愧に耐えません。

0コメント

  • 1000 / 1000