「平岸中の島三十三番観音」。

(あしあと その74)

平岸1条17丁目の住宅街に、観音様が集められた一角があります。河岸段丘となったその土地のすぐ下を精進川のせせらぎが流れ、近くには精進河畔公園の敷地が広がります。この観音様は、「平岸中の島三十三番観音」と呼ばれています。

ブロック塀で囲まれた敷地の入り口横に設置された案内板には、こう記されてます。

「平岸中の島三十三番観音

昭和10年、精進川の堤防上に平岸1条の道路を新設した。その脇に33体の軟石造りの観音像を置いたことから通称観音通と呼ばれた。戦後進駐軍によるいたずらが頻発したので、昭和28年に一ヵ所に集め安置された。

平岸地区とよひら”ふるさと再発見”委員会

中の島地区とよひら”ふるさと再発見”委員会

札幌市豊平区」

入り口の鉄扉は開放されていて、一歩足を踏み入れただけで約50坪の敷地の中は急に空気が静かになり、時間が歩みを止めたような錯覚に陥ります。

玉石が敷き詰められた敷地の北側の一番奥に小さな社が置かれています。

社の左側には沿革を記した石版が設置されていて、それにはこう刻まれています。

「沿革

当三十三番観世音菩薩は昭和十年春故河合才一郎殿(道議)の発願(ほつがん)に依(よ)り平岸地区住宅地開放に当り精進川堤防沿いに道路(現平岸一条)を新設観音通りと呼称し平岸中の島その他の篤志家の協議を得て三十三番観音像並に子安(こやす)観音像子持(こもち)地蔵尊六道能花(化?)(ろくどうのうけ)地蔵尊等を安置昭和十年十月八日関係者参詣のもとに入佛開眼(かいげん)式を厳修(ごんしゅ)す以後毎年春祭五月十七日秋祭十月十七日例大祭を行う爾来(じらい)満四十年の歳月を経札幌市の発展が著しい昨今都市計画に伴い二代目河合義一殿の懇志により佛像を当所に一括安置し敷地(境内地)五十坪を長専寺に寄進し之を平岸中の島三十三番観世音菩薩と称す

昭和五十年十月十七日遷座祭を盛大に厳修す

中略

昭和五十年十月十七日

浄土宗長専寺

以下略」

この観音像を管理する浄土宗長専寺は、すぐ近くを走る国道453号を市内方向に進み、平岸通と交差する平岸3条16丁目にあります。

('15/05/03 追記する)

敷地の両側には、1番から33番までの観音様が並んでいます。その一番最後には、「第廿一番穴太寺 聖観世音菩薩寶塔也」と大きく刻まれた石塔が立っています。穴太寺(あなおじ)は、京都府亀岡市にある、西国三十三所の第21番札所の天台宗の寺院で、札所の御本尊が聖観世音菩薩となっています。縁があって、この場所に寶塔が建てられているんですね。

歴史のあしあと 札幌の碑

ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑、記念碑が気になり始めてから、沢山の人にその存在を紹介してこうと思い、はじめはブログから始めました。札幌の歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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