「有島武郎文学碑」。

(あしあと その1)

大通公園の西9丁目の一角にひっそりと佇む石碑が「有島武郎文学碑」です。建立は昭和37年。この年は有島の没後40年になります。

碑面には北海道に縁の深い作家、有島武郎の作品「小さき者へ」の一節が刻まれています。碑文の書は、文芸誌「白樺」で有島とともに活躍した作家、武者小路実篤の筆によるものです。

北区にあった有島の旧宅は、現在は札幌芸術の森の中に移築保存されています。ニセコ町には有島記念館もあり、有島の北海道との強い結びつきを改めて感じます。

('14/11/23 追記する)

碑文は、「小さき者へ」の最後の次の文章が刻まれています。

「小さき者よ 不幸なそして同時に幸福なおまえたちの父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ 前途は遠いそして暗い しかしおそれてはならぬ おそれない者の前に道は開ける

行け 勇んで 小さき者よ

有島武郎「小さき者へ」から 実篤書」

また、碑の右側面には、次のように記された石板がはめ込まれています。

「建立 昭和37年9月22日

有島武郎記念会

碑文 武者小路実篤

題字 半澤洵」

また、碑の背面下部には

「彫刻 藤川基

台座 山本一也」

と刻まれた小さな石板がはめ込まれています。

題字の「有島武郎文学碑」を揮毫した半澤洵氏は、札幌出身の北海道帝国大学名誉教授で農学博士です。有島とは札幌農学校の同期生でした。

彫刻の藤川基氏は、北海道教育大学の教授であった方で、藤川叢三(ようぞう)の名前で数々の彫刻作品を残しています。台座の山本一也氏も道内で活躍した石彫家です。

歴史のあしあと 札幌の碑

ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑、記念碑が気になり始めてから、沢山の人にその存在を紹介してこうと思い、はじめはブログから始めました。札幌の歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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